ベトナム、太陽光発電・爆発的成長の光と影

ベトナムの太陽光発電が爆発的な成長ぶりを見せているが、制度や運営上の問題点を抱えており、投資魅力は落ちるという分析が出た。

駐ベトナム韓国大使館によると、19年末、総容量が4.9GW水準に過ぎなかったベトナム太陽光発電は、この1年間で発電所の建設が爆発的に増加し、1年で設備容量が約3.5倍急増した16.7GWを記録した。太陽光発電はベトナムの新再生エネルギー発電の割合の99%を占めており、風力やバイオマスなど他の新再生エネルギー発電源に比べて圧倒的といえる。

20年末基準のベトナム電力設備容量は計69GWだが、このうち太陽光発電は17GWと、全体ベトナム電力設備の約24%を占めている。 石炭30%、水力30%、ガス13%などだ。太陽光発電所の大半は、日照量の豊富な南部ニントゥオン省やビントゥオン省に集中しており、太陽光設備の容量16.7GWのうち、大規模な地上太陽光が約9GW、小規模屋上太陽光が7.8GWを占めている。

こうした太陽光発電の急成長は、ベトナム政府が太陽光普及拡大のために2017年から期限付きで導入した発電差額支援制度(FIT)が2020年12月31日に最終的に期限切れになることによる影響で、今後FITを再導入、または変形して導入するかどうかはまだ未定だ。 FIT制度を受け、今後25年間、高い固定価格で太陽光電気を販売するためには、20年末までに発電所の建設を完了しなければならない状況だった。

しかし、ベトナムの太陽光への投資収益性は、不確実性が大きいという分析だ。 これまでベトナム太陽光市場の拡大をけん引してきたFIT制度が事実上終結した状況で、ベトナム政府は競売方式を通じて太陽光購買価格を決めると発表した。 太陽光電力に対し、事実上最安値で購買できる構造であるだけに、ベトナム太陽光投資の収益性に対する不確実性があるということだ。

太陽光発電運営の非効率も相当期間続く可能性があるという指摘だ。 大半の太陽光発電が密集しているニントゥアンやウィントゥアン地域では、太陽光発電を十分支えるだけの電力網が非常に不足しているからだ。 電力網が飽和され、実際に生産された太陽光発電電力の50%ほどが電力網につながらない太陽光発電所が多いと推定されている。

ベトナム政府は、このような状況を考慮し、太陽光施設を厳しく管理する動きを見せている。 ベトナム商工部は屋根太陽光で申告した相当数の発電設備が地上太陽光に比べてより高い水準のFIT支援を目的に不法建設された問題を認識し、集中的に調査する予定だ。 実際、従来の住宅や商店街、農村の畜舎など、建物の屋上に設置されたものではなく、完全な建物ではなく柱だけを設置し、その上に太陽光パネルを載せる方式で設置されたケースが少なくない。

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