NEDO、水素航空機用エンジン燃焼機の開発支援

新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)は5日政府が助成した2兆円のグリーンイノベーション基金事業の一環として川崎重工業による水素航空機用コア技術に関する研究開発を採択したと発表したが、航空エンジン用水素燃焼器などの開発を支援し、航空分野の脱炭素化を推進することを目的としている。

基金事業としては、政府策定のグリーン成長戦略として実行計画が採択された重点分野を技術対象としている。 航空機産業はその一つで、政府は航空機分野の脱炭素化を推進するとともに、航空機産業で適用される先進技術が他の分野に波及する効果も狙っている。 川崎重工業は、①水素航空機用エンジン燃焼機システムの技術開発、②液化水素燃料貯蔵タンクの開発、③水素航空機の基本構造を検討する。

①では固定用水素ガスタービン開発のノウハウを活かして気化器や燃料制御システム等の補機を含め水素航空機用エンジンシステムとして使用可能であることを実証し、窒素化合物規制値にも対応可能な航空エンジン用水素燃焼器も開発する。

②では液化水素燃料貯蔵タンクの軽量化に必要な薄型切断構造、タンク支持構造、タンク内の温度圧力制御システムに関する研究開発を行う。

③では、2000~3000km の航送能力を有する水素航空機の基本モデルを策定する。

2030年内に10年間、事業規模約180億円のうち政府が175億円を支援する。 10年でコア技術を開発し統合してシステム全体を集約した実証実験を2030年地上で実施する計画である。

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