連邦政府の承認が遅れ、遅々として進まなかった米国の海上風力プロジェクトが、バイデン政府発足後、加速化する動きを見せている。
最近、ウォールストリートジャーナルによると、バイデン大統領は2030年までに海上風力容量を2倍に増やすための段階を内務部長官が究明するよう指示する内容の行政命令に先月署名した。
海上風力はドイツ、デンマーク、英国など欧州で活性化している反面、米国の場合長く複雑な連邦審議手続き、供給網イシュー、水産·海洋生態系に及ぼす影響に対する懸念などで発展が遅れている状況だ。 現在稼動中の海上風力発電団地は2ヵ所に止まり、欧州に比べ、大幅に小さな産業規模を形成している。
海上風力の普及が遅れているのは、連邦政府の承認遅延が最大の理由だ。 現在、約10件の海上風力プロジェクトの提案書が内務部傘下の海洋エネルギー管理局(BOEM、Bureau of Ocean Energy Management)の承認を得られずに待機しているという。
米国初の大規模プロジェクトとして推進中の「Vineyard Wind プロジェクト」は、連邦政府の審議過程で既に数回延期されている。 問題は、連邦政府の審議が長引く間、風力タービンの技術が急激に発展し、数年前に提出した最初の提案書を修正しなければならない状況も発生している。
米国内の風力事業者らは、バイデン大統領の今回の措置がこれまで遅々として進んできた連邦政府の海上風力プロジェクトの検討速度を高める契機になるものと期待している。
大西洋沿岸の米国各州が炭素排出削減目標のため海上風力契約を増やしたことで、新たなモメンタムが形成されている点も肯定的な要因に挙げられる。 米清浄電力協会(American Clean Power Association)によると、35年まで2万9000MW以上の海上風力資源が確保されると期待される。
米国内で海上風力で特に注目されている国はニューヨーク州だ。 ニューヨーク州は、海上風力発電の目標値を2035年までに9000MWに設定し、これを達成するための具体的な事業を進めている。 最近、2つのプロジェクトを追加で選定し、現在まで計5つの約4300MW規模の海上風力プロジェクトを推進することにした。
先月追加で選定された2つのプロジェクトはEquinor社の「Empire Wind 2プロジェクト」(1260MW)と「Beacon Windプロジェクト」(1230MW)だ。
これらの事業はニューヨーク州エネルギー研究開発局(NYSERDA, New York State Energy Research and Development Authority)が競争入札を通じて海上風力プロジェクトを選定し、開発企業と再生エネルギー認証書(ORECs, Offshore RenewableEnergyCertificates)の購入契約を締結する方式で行われる予定だ。